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~しなやかに したたかに~  乳がんとのお付き合い
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術後14日で放射線を始めることになる。まず放射線科の受診。レントゲンの撮影室が並ぶ入り口付近と違い、奥の方は人影もない。かなり以前のことだが、最も患者の死亡率が高いのは放射線科と聞いたこともあり、先入観として「イヤな感じ」がある。
 
この「人影のない奥の方」は、リニアックの治療室があり「治療を受ける人以外立入禁止」とわざわざお札が立っている禁断の一角だ。たま~にそこで待っている人を見かけることがあったが、大抵、目線が下向きで影が薄いというか・・・。私もその一人になるかと思うと益々イヤな感じだ。
 
存在すら気付かなかった小さな診察室で治療計画を立ててもらう。担当の医師はかなり若そうで、実際に照射を担当する技師の方も若そうである。先入観を覆すほど雰囲気は良い。
 
照射予定は2グレイを25回。年末・年始が入るので他の時期より期間が長くなってしまうが仕方ない。それでも12月29日と1月3日に治療を入れてもらうことができた。
 
「リニアック」って何?思わず聞いてしまった。従来のコバルトなどと違い、線源となる物がないらしい。発電機のようなものかしら。放射線の種類としてはX線になるとのこと。けれど普通のレントゲンなどで使うのとは線量がケタはずれに違うらしい。ちなみに「グレイ」は医療用の放射線量の単位で1グレイは100ラド。テレビ等でよく耳にする「シーベルト」は医療用以外に使う単位。統一した方が便利だと思うけど。グレイとシーベルトとの換算は可能だが、換算率は「学生の時以来使っていないから忘れてます」とのこと。
 
と、簡単に説明してもらったのだが調べてみると・・・
放射線の物理的な量を表す単位が「グレイ(Gy)」。放射線が生物に与える影響は、放射線の種類によって違うため、放射線が人体に与える影響の強さを表す単位として使うのが「シーベルト(Sv)」。たとえばα線は人体への影響が大きいため1Gy=20Svとなるが、X線やγ線は1Gy=1Svとなるようだ。
 
ちなみに・・・事故等で短時間に被曝した場合、致死量は公的には7Gyだそうでだ。だったら50Gyってかなりの線量だ。
が、医療用では照射部位が限局されており、何回にも分けて照射するので公的致死量の7倍以上の照射ができるのだ。イメージとして100℃のお湯がバシャッとかかるのと、45℃のお湯が1時間毎に3回かかるのと・・・って感じかな?
 
照射角度の計算のために胸のCTを撮ってもらい照射位置を決めるのだが、これが長い長い。右腕を挙げた状態でいるのがキツイ。もっとリハビリを頑張れば良かったと今更ながら反省した。
 
しかし・・・上半身の衣類を取って右腕を挙げ仰向きに寝ているってかなりマヌケな状態だ。この上、先ほどの医師と技師の2人組が、お腹あたりの両側からお互いの頭をくっつけるようにしたわたしの胸を眺めている状況は、まるっきり伊丹*三監督の映画のシーンのようだ。腕も痛いけれど笑いを堪えるのが非常に辛かった。言うまでもなく2人とも見るからに真剣だったので(実際、乳腺以外への被曝が少なくなるよう努めてくれていたのだ)そんな時に当の患者がゲラゲラ笑うワケにはいかない。やっと照射角度、位置が決まったらしく胸にマジックで線を書かれる。
 
次はリニアック室へ入って再確認・・・なのだが、微妙に合わないようだ。どうやら部屋の温度によっても変るらしい。技師&医師が又しても(文字通り)額を寄せ合って位置を決め、またマジックで線を書かれる。もう私の胸は真っ黒だ。
 
照射そのものは2~3分で済んで、この日のメニューは2時間がかりで終了!あと24回だ。夕方以降、妙に身体がだるい。
 
2回目
照射だけなら10分もかからなかった。朝10時台に放射線科へ行くのが仕事になる。この日も含めて24回、「治療を受ける人以外立入禁止のエリアで待っている人」になるわけだが、他からは見えない場所に職員の描いた絵などが飾ってあり、ナカナカ面白い。視線下向きで影が薄いなんてトンデモナイ!
 
照射後、病室に戻り濡れタオルで照射部位を冷やす。看護師さんが保冷剤を用意してくれているが、範囲が広く凸凹もあるので濡れタオルの方が扱いやすい。回数を重ねると、要領が良くなってくる。
 
タオルは濡らして4つ折・ビニール袋に入れて冷蔵庫で冷やしておく。(2組つくる)放射線科から戻るときに保冷剤をもらって、タオルの間に入れビニール袋のままで冷やす。温かくなれば交換。
 
この方法は楽だった。特に治療の中盤以降は、放射線科から戻る途中で歩くのも努力が要るぐらいダルくなっていたのだ。
 
さて2回目の照射が終った午後、ダルイダルイ。頭が重いしむかつくし、まるっきり二日酔い状態だ。(後日「放射線宿酔」といわれる状態だったことがわかる)
 
照射のない週末は、朝から気分良く楽に過ごすことができる。文字通りの「休日」に身体が喜んでいるようだった。
 
3回目
外は大雪だが病院は暖かい。雪の中を出かけなくて良いだけでも、放射線治療のために入院していられることに感謝しなければならない。
 
照射後のダルさは相変わらず。折角キレイにしてもらった胸だが、「放射線をすると、水が吸収されることが多い」という主治医の予言通り、やや凹んできたぞ~(ーー;)
 
6回目
週末に近づくにしたがって、ダルさからの回復に時間がかかるようになってきた。6回目予定のこの日は、翌日から三連休になる日でもあった。
 
4日前からの大雪はこの日も続き、朝から照明がチラチラしていた。何か怪しいな~と思いながら放射線科に行くと、妙に慌しい。「リニアックもMRも落ちまくり!最悪!!」などと聞こえてくる。PCの調子が悪くなったのかと察しをつけて、私の前の予約時間の方とおしゃべりをしていた。同じ病気で市内の他の病院で手術を受けた方だった。温存でドレーンを入れず、術後8日で退院されたそうだ。で、放射線に片道1時間半かけて自分の運転する車で通っておられる。しかもこの雪道を。もう頭が下がる。
 
予約時間を30分も過ぎたころ、「瞬間停電が何回もあったので、PCがイカれてしまいました。復旧は週明けになるかも・・・」と説明があった。ますます入院していた良かったと思う。
 
そして週明け、リニアック復活の朗報が入る。この日復活しなければ5日間隔が空くところだったので、心底ほっとした。
 
3連休の間に業者の方がデータの復旧まで頑張ってくれたらしい。停電でPCがイカれた施設はココだけではないのに。目に見えないところで、多くの人たちに支えられて治療を受けることができていると実感した日だった。
 
9回目
この日から年末年始のお休みになる。が、リニアックのお休みは1日遅い。
 
照射後の気分の悪さはマシになっているが、疲れやすさ、ダルさは酷くなってきている。シャワーのときに頭と身体を洗えないぐらいだ。だからシャンプーは朝の気分の良いうちに洗髪台で済ませている。
 
皮膚の症状は、ちょっと肌理が粗くなったかな?という程度。照射後に冷やすのが気持ち良い。真夏の外来だったら大変だと思う。
 
この日も照射後冷やしていた。とても人様に見ていただける格好ではない。すると福田先生が入ってくるではないか!「ちょっと腕挙げてみましょうか」って、この体勢で?今更恥ずかしがる年齢でも相手でもないが、少々アセッた。
 
(大晦日)
年末年始といえども外泊は2泊が限界とのことで、大晦日から家に帰ることにした。病状や治療の都合から病院で年越しする方も少なくない。同室の方は2人とも残留だ。帰るときに「良いお年を」と言いかけて絶句した。1ヶ月前に入院したばかりの病院で迎えるお正月が「良い」なんて言えない。
 
「来年は今年の分も良いことがありますように」
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