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~しなやかに したたかに~  乳がんとのお付き合い
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細胞診の結果のわかる日。家族と来るように言われたワケではないが、そのような雰囲気だった。が、単身で乗り込むことにする。第一、まだ家族にも言っていないのだ。早く知らせても心配する以外何もできないだろう。家族に言うのは診断が確定し、状況や今後の日程がはっきりしてからでも遅くない。
 
覚悟を決めていたので「何でも遠慮なく仰ってください」と最初に言ったのだが、躊躇いがあったのは田中先生の方だったようだ。「患者さん向けのパンフレットが・・・」と探し物を始められ、出てこなかったので(最初からなかったのかもしれない)意を決したように言われた。「やはり出ました。乳ガンです。で・・・治療を受けてください」”やっぱりね”という感じでショックはなかった。むしろ「判定不能」でなくて良かった」とさえ思った。
 
それでは・・・と、「vol-net」で見つけた「医師の説明を聞く際のチェックリスト」を出してメモをとりながら、じっくり内容を聞くことにする。医師は少し驚いたようだが「そこまで準備されているのなら」と詳しく話してくれた。
 
細胞診の結果は「浸潤性乳管ガン」しこりのサイズやマンモ、エコーの所見も併せて聞く。ステージはやはりギリギリのⅠ。もっとも微小な転移については不明なので「現段階では」という注釈付きだが。(思っていたより悪くない。ステージⅡbまでは想定の範囲内だ)
 
6日後の手術を提案されるが困った。見たい映画の封切が8日後・・・イヤイヤ仕事の都合がつかない。職員3人の出先職場で、係長は心調を崩して休職しているのだ。
 
予定を1週間延ばしてもらう。入院は手術の2日前とのこと。温存か全摘かについては、手術の前日までに決めれば良いと、考える時間をもらえたのは有難かった。
 
とはいえ、いくら何でも術式を決めるのが手術の前日では困るだろうと、3日間考えて心を決めた。が、少々疑問があるので、田中先生にその点を確認してからハッキリ決めようと思った。
 
わたしが天秤にかけていたのは、温存した場合の残した部分への再発の可能性と、全摘した場合のダメージだ。残した部分への再発が転移へとつながるのか、それとも転移を前もって知らせるサインになるのかがわからない。転移を知らせるサインなら、温存した方が便利そうだ。温存しようが全摘しようが、転移するものは転移する。最終的な結果に変わりないということであれば、温存した方が良いのだが。
 
温存の場合しこりの周囲2cmで切除ということで、だいたい直径6cmが切除範囲になる。それでは私の可愛らしいオッパイでは全摘と大差ないではないか。それに温存と放射線はセットになるので、放射線の影響も気になる。いっそ全摘して、あり余る腹肉で再建してもらえば一石二鳥なのだが、それでは仕上がりが余りキレイにならないとのこと。再建にはシリコンがおすすめのようだ。う~ん、それはちょっと抵抗があるなぁ・・・。
 
決めた。温存してもらおう。
 
 
私は今まで帝王切開を含めて2回、婦人科系の手術を受けている。帝王切開のときは傷跡は残って当然と思っていたので、特にリクエストしなかった。不妊に悩んでいた私は、結婚8年目にして出産にこぎつけただけで充分だったのだ。けれど、とてもキレイに縫ってもらったので今では本当にわからないぐらいだ。時が経つにつれ、それがとても有難く思えてきた。
 
その数年後の片側の卵巣摘出は、出産とは別の病院だった。このときは悪性が疑われ、また私の状態も余り良くなかった。普通なら傷跡の仕上がりに注文をつけられるような状況ではない。が、「帝王切開の跡のように、自慢できるぐらいキレイにしてください」とリクエストをした。すると「形成で習ったばかり」という埋没縫合で仕上げてくれ、かなり派手に縦に切られたけれど、これも今では”ちょっと太めの妊娠線”ぐらいにしか見えない。(大方の予想に反して、病理の結果も悪性ではなかった。)
 
味をしめた私は、今度もお願いした。「”先生にこんなにキレイにしてもらった”と自慢できるようにして下さいね」
 
温存なら放射線も含めて2ヶ月~3ヶ月は仕事を休みたいので、必要な連絡などをしているうちに、自分は本当に多くの人に支えてもらっているということがわかり、ガンの内示を受けて初めて泣いた。嬉し泣きである。ガンと知って嬉し涙というのも妙な話だ。
 
しかもタワケたことに、そのことに気付かせてくれた病気に対する感謝の気持ちまで出てきた・・・アカン、こんな善人型の思考回路では早死にする。「佳人」の私はタダでさえ早死にリスクが高いのだ。あと30年生きるために「憎まれっ子」になるヨと宣言する。何故か皆、「佳人」のところで突発的に難聴になるようだ。
 
さて入院までにもう一度病院に行かなければならない。造影剤付きCTと骨シンチのためだ。
 
さてCT・骨シンチの日、CTの造影剤で吐き気がすることがあるとかで、朝ゴハン抜きだ。放射線科はかなりの盛況で予約時間より1時間近く過ぎて名前を呼ばれるが・・・問題発覚。造影剤使用の同意書がついていなかったのだ。サイン一つで済むものではなく医師と作成することになっているとかで、外科に行く。すると初診のイケメン・佐藤先生だ。(チキン・リトルにちょっと似ている)私の顔を見て狼狽したように「来週・・・入院ですね」同意書ができると、とってつけたように「お、お大事に・・・」と言われる。何も振られた恨み言を言いにきたワケではないワイ!。
 
CTの前に骨シンチのための注射の時間になった。安全性に問題ないとわかっているけれど、放射性物質の注射って余り気持ちの良いものではない。
 
お待たせのCTは、上半身だけ金具のない服でと言われる。じゃあスカートOKね。本当かな?念のため確認したが大丈夫とのこと。・・・造影剤が入ってしばらくすると喉の奥でヨード系の味がしてくる。それを味っていると「あ、スミマセン・・・スカートが・・・」思ったとおりだ。横になったまま、スカートだけずらせてもらうが、いつもの防寒重視の下着でなくて助かった。
 
骨シンチまで少し時間があるので食事を摂るが、少しむかつく。痛みはないが、下痢もしている。30分ごとぐらいにトイレに行くが、検査の間はどうしよう?でも何とか治まって助かった。検査中に確認をとってもらったようで、下痢については造影剤の影響とは考えにくいとのこと。だったら骨シンチの薬剤かな?今度骨シンチ単独にしたら確認できるかな・・・などと考えながら会計に行くと・・・2万円超え!!カードが使えたので良かったが、本日最大のショックだった。
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